course information
 2004年6月、東京大学先端科学技術研究センターではジャーナリスト養成コースを開設しました。初年度は東大のみならず他大学の学生、および社会人26人がこのコースを履修しています。
 このサイトは東大先端研ジャーナリスト養成コース履修生の作品発表、情報発信の場として、まさに履修生がジャーナリストとして独り立ちしてゆく第一歩を記す場所になる目的で作られました。彼らが実習課題として取り組んだ作品が、このサイトにはアップされます。
 そして発表の場としてだけでなく、議論空間として機能することもこのサイトは目指しています。そのために掲示板も設けています。
 他にも今の彼らだからこそ実践できる調査や表現の成果をコンテンツとして加えながら、このサイトは運営されてゆく予定です。
 マスメディアだけがジャーナリズムの活動の場ではなく、様々なかたちがジャーナリズムにはあり、それぞれに可能性と限界があるのだと思います。ここではそのひとつの可能性を試してみたいと思います。

2004年11月11日記

武田徹
ジャーナリスト・評論家
東京大学先端科学技術研究センター特任教授
(ジャーナリスト養成コース担当)

 

●ジャーナリスト養成コースについて
 このコースはジャーナリスト志望者向けに通年で開講されました。
履修生が顔を合わせるコアタイムは毎週水木の夜。この時間を使って講義と実習の説明がなされます。
 このコースでの講義・実習メニューの特色を5つほど挙げておきます。
1;問題発見から取材調査、分析、表現、発信までをカバーし、組織的分業体制に依存せずにジャーナリズムの作業を実践できるようになるための包括的な技術を身に付ける「一人ジャーナリズム」。
2;調査において、それぞれの方法の強さ、弱さを知った上で取材テーマにふさわしいリサーチメソッドを選び、組み合わせられるようになるための「マルチメソッド教育」。
3;成果発表においてもそれぞれの発信メディアの強さ、弱さを体験的に知った上で選べるようにする「多メディア経験」。
4;座学系講義における自然科学だけでなく、社会科学、人文科学も対象にした「横断的カリキュラム」。
5:同じく座学系講義では、「科学と科学でないもの」、「ジャーナリズムとジャーナリズムでないもの」の境界を意識しつつ、科学(論理)的思考とは何か、ジャーナリズムとは何か、どこまで可能かを考える「クリティカルシンキング」を特色として組みこみました。
 こうした特色を踏まえ、具体的には、いわゆる客観報道、事実報道の在り方を再検討したり、統計学の基礎知識やネット時代の世論形成の特徴について学んだり、ジャーナリズムとは異種の情報発信方法であるPRの技術や、科学的思考との差異を理解するために宗教者の思考法を視野にいれて再考する作業などを講義を通じて行います。
 一方、実習は、コアタイムを使って課題の呈示とその内容説明がなされ、後は履修生各自が自発的に取り組みます。
 実習課題は作業時間によって短期課題(1ー2週間後に締切り)、中期課題(1ヶ月後に締切り、あるいは1月程度の継続実習経験)、長期(前期/修了)課題(2−3ヶ月後に締切り)に分かれます。その中でマルチメソッド調査方法を使った記事作り、ルポ(前期課題/修了課題)、プロモーションビデオ制作、個人ジャーナリズムサイト開設運営経験、ネットラジオ番組制作、ドキュメンタリービデオ制作/マルチメディア作品制作(修了課題)などに取り込んでいます。その成果の一部はこのサイトで発表されています。